ラッシュ/プライドと友情

監督:ロン・ハワード
出演:クリス・ヘムズワース、ダニエル・ブリュール、オリヴィア・ワイルド、アレクサンドラ・マリア・ララ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、デヴィッド・コールダー、ナタリー・ドーマー、スティーヴン・マンガン、クリスチャン・マッケイ、アリスター・ペトリ、ジュリアン・リンド=タット、コリン・スティントン
原題:Rush
制作:アメリカ/2013
URL:http://rush.gaga.ne.jp/index.html
場所:109シネマズ木場

子供のころにテレビで見たF1ドライバーのニキ・ラウダの火傷を負った顔はとてもインパクトがあった。と同時に、大事故に遭いながらもなおかつF1に挑戦し続ける姿に狂気さえも感じていた、とおもう。でも当時はまだF1がそんなに人気があったわけではないので、その事故のあった1976年のF1世界選手権がどんなシーズンだったのかは今までよく知らずに、とりたてて詳しく調べようともせずに現在にまで至っていた。それが突然、ニキ・ラウダとジェームス・ハントのライバル関係を軸に映画化された事によって、しっかりと理解することができた。

この1976年のシーズンをリアルタイムで追いかけることが出来た人は何と幸せなんだろう。もし日本の富士スピードウェイでの最終戦を実際に見た人がいたとしたら、もだえ苦しむくらいの羨望の的だ。それくらいに人間臭くて、ドラマティックで、感動的なシーズンだった。そのシーズンをロン・ハワードがテンポよく、かっこいいシーンのカットバックをモンタージュさせながら再現させている。それにF1と云えば、音、だ。音響効果も抜群だった。エンジンの重低音のうなりが気分を高揚させ、映画を見ているだけでアドレナリンが噴出して来る。ロン・ハワードが良い時は、めちゃくちゃ良い。

映画を観終わって映画館を後にした時のF1ドライバーになったような気分は、ヤクザ映画を観た後に自分が高倉健になったような気分になるのと同じで、帰りの自転車では頭の中にT-SQUAREのF1テーマ曲がループして思わずスピードアップさせてしまう。それが映画を観ると云う行為の醍醐味の一つだ。

→ロン・ハワード→クリス・ヘムズワース→アメリカ/2013→109シネマズ木場→★★★★