監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオ、ケリー・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソン、ウォルトン・ゴギンズ、ドン・ジョンソン、ローラ・カユーテ、デニス・クリストファー、ジェームズ・ルッソ、ジェームズ・レマー、トム・ウォパット、ミスティ・アッパム、レックス・リン、ブルース・ダーン、ゾーイ・ベル、ロバート・キャラダイン、フランコ・ネロ
原題:Django Unchained
制作:アメリカ/2012
URL:http://www.sonypictures.jp/movies/djangounchained/
場所:ユナイテッド・シネマとしまえん
人が大勢いる場所が苦手なので、映画を初日に観に行くことがあまりないのだけれど、タランティーノの映画とあればちょっとした苦労もいとわず、花粉の舞う強風もものともせず、ものすごく久しぶりに映画初日に駆けつけてしまった。記憶にある限りでは、高校時代にジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』をホラー好きの友人に誘われて有楽座へ観に行った以来じゃないのかなあ。
で、そのタランティーノの新作は、期待にたがわず面白い映画だった。2時間40分と長尺なのに、過去の様々な映画からインスパイアされたとおもわれるショットとタランティーノ・セレクションの音楽とのコラボレーションにはいつも魅了されてしまう。もちろんタイトルからわかるようにマカロニ・ウェスタンに対するオマージュ映画なのは間違いなくて、あのマカロニ・ウェスタン特有のフォントによって赤くタイトル・クレジットが表示されて、『続・荒野の用心棒』(原題は“Django”)のテーマ曲とともに「フランコ・ネロ」なんて名前が出ただけで鳥肌が立つんだけど、マカロニ・ウェスタンだけではなくて本国アメリカの西部劇からも様々なインスパイア・ショットが数多く見られる。クリストフ・ヴァルツの歯医者は、そうだ、『腰抜け二挺拳銃』だ! と町山智浩のTweetを見て思い出してしまった。
西部劇だけではなくてデニス・クリストファーを使うところなんてのも映画ファンのくすぐりどころを心得ている。70年代の『カリフォルニア・ドリーミング』『ヤング・ゼネレーション』『フェイドTOブラック』などで主演したネクラ・オタクの青春スターを久しぶりに使うなんて、やっぱりタランティーノは映画を知っている。このような映画の記憶がいっぱい詰まった映画ならば、次回作が来たらまた初日に行ってしまうかもしれないなあ。
→クエンティン・タランティーノ→ジェイミー・フォックス→アメリカ/2012→ユナイテッド・シネマとしまえん→★★★★