監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ジェイク・ギレンホール、メラニー・ロラン、サラ・ガドン、イザベラ・ロッセリーニ
原題:Enemy
制作:カナダ/2013
URL:http://fukusei-movie.com
場所:新宿シネマカリテ
ドゥニ・ヴィルヌーヴの映画は、WOWOWで見た『灼熱の魂』に衝撃を受けて、さらに今年になってから映画館で観た『プリズナーズ』もまた素晴らしくて、今年のベストワンに推しても良いくらいの映画だった。今後のドゥニ・ヴィルヌーヴは注目だぞ、とおもっていたら、早くも次回作がやって来た。
『複製された男』と云うタイトルからSF映画だと勝手に推測していた。映画のあたまからクローンの話しであるとおもいこんでストーリーを追っていたら、どんどんと辻褄が合わなくなって来て、ああ、これはクローンの話しじゃないな、と気が付いたのは映画も半ば過ぎ。そこから一人の男のイメージが錯綜しているストーリーとして映画を捉えてはみたものの、細かいところがはっきりとしないまま、最後に大きな蜘蛛が出て来て突然終わってしまった。
このままではもやもやとしたままだったので「町山智浩の映画ムダ話⑧ 『複製された男(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督) 』」を200円払って聞いてしまった。(200円と云う値段付けが良い!)そうしたら細かいところまですべてが氷解。やっぱり町山さんは素晴らしい。
で、映画としてどうだったかと云われると、まあ、町山さんの云われるように類型の映画の域は出ないものの、でも、一人の男の内なる葛藤のイメージ化としては、ところどころにクローネンバーグやエゴヤンを見るようで、とてもカナダ的な乾いた殺伐さが自分にはとてもしっくりと来て気持ちよかった。なぜだかはわからないけど、トロント系の映画作家とはウマが合う。
→ドゥニ・ヴィルヌーヴ→ジェイク・ギレンホール→カナダ/2013→新宿シネマカリテ→★★★★