思い出のマーニー

監督:米林宏昌
声:高月彩良、有村架純、松嶋菜々子、寺島進、根岸季衣、森山良子、吉行和子、黒木瞳、杉咲花、大泉洋、安田顕
制作:スタジオジブリ/2014
URL:http://marnie.jp/index.html
場所:109シネマズ木場

スタジオジブリのカラーがあるとすると、それはやっぱり宮崎駿のカラーであって、女の子が主人公で、内面葛藤のモノローグがあって、自分の殻を打ち破って成長して行く過程に風変わりなキャラクターが絡んできて、最後はみんながハッピーになって大団円を迎える、と云うのがスタジオジブリの作品なんじゃないかとおもう。とすれば、それを受け継ぐ後継者は今となっては米林宏昌しかいなくて(ああ、近藤喜文!)、今回の『思い出のマーニー』もしっかりと宮崎駿を継承していた。

でも、そうなると、宮崎駿を越えることなんて並大抵の才能では無理なわけで、どうしても二番煎じ見られてしまう。この『思い出のマーニー』も、まあ、宮崎駿の亜流だ。ベースに宮崎駿があるので安心感はいっぱいだけど、どこに米林宏昌の色が出ていたんだろうかと考えると、うーん、たぶんどこにもない。

映画としては面白かった。その面白さはもしかするとストーリーによるところが大きかったのかも知れないけれど、それでも原作を日本に置き換えて、スタジオジブリの映画としてしっかりと再構築させた米林宏昌には才能はあるとおもう。今後もがんばって、なんとか宮崎駿を越えて欲しい。そのためには何か、しっかりとした米林宏昌の色を。

→米林宏昌→(声)高月彩良→スタジオジブリ/2014→109シネマズ木場→★★★☆