監督:リチャード・リンクレイター
出演:エラー・コルトレーン、パトリシア・アークエット、イーサン・ホーク、ローレライ・リンクレイター、リビー・ヴィラーリ、マルコ・ペレッラ、ブラッド・ホーキンス、ゾーイ・グラハム、チャーリー・セクストン、ジミー・ハワード 、アンドリュー・ヴィジャレアル、イライジャ・スミス、ニック・クラウス、トム・マクテイグ、スティーヴン・チェスター・プリンス、エヴィー・トンプソン、ジェニファー・グリフィン、タマラ・ジョレイン、テイラー・ウィーヴァー、ライアン・パワー
原題:Boyhood
制作:アメリカ/2014
URL:http://6sainoboku.jp
場所:新宿武蔵野館
12年ものあいだ同じ俳優、子役を使って、彼らの肉体的成長とともにストーリーを同時進行で進めて行く方法は誰もが考えつきそうだけれど、でも、そのコストや俳優の拘束期間を考えたら今まで誰もが手を付けなかった事だとおもう。それをリチャード・リンクレイターが『6才のボクが、大人になるまで。』で実現させてしまった。その冒険心が素晴らしい。
そして、そこまで苦労して作り上げた映画を実際に見てみると、ストーリーはフィクションでも肉体的な成長はノンフィクションで、まるでリアルな事が展開されているドキュメンタリー映画を見ているような感覚に陥って、まったく新しいジャンルの映画を見ているようだった。特に子役のエラー・コルトレーンやローレライ・リンクレイターが大きく成長して行く姿は、まるで自分の親戚の子の成長をポイント、ポイントで見て、わぁー、見ないうちに大きくなったねえ、と言いたくなるほどだった。彼らが成長とともに関わる小道具たち、iPod、ボンダイブルーiMac、ドラゴンボールZ、ブリトニー・スピアーズ、ハリー・ポッター、Halo、Wii Sports、Facebookなども、自分がそれに関わった時代をオーヴァーラップすることが出来て、さらにリアルさを倍増させてくれた。
イーサン・ホークやパトリシア・アークエットも、実際の子供の親としての成長、歳の取り方を見ているようで、とりわけパトリシア・アークエットは、最初のシーンの容姿が『トゥルー・ロマンス』の時とそんなに変わらなかったので、何となく今もそのような容姿のままなんじゃないかと勘違いしてしまって、それが映画を見て行くうちにどんどんと膨らんで行ってしまうので、ああ、歳月と云うものは厳しいもんだなあと痛感して行くのもドキュメンタリーっぽかった。
2時間46分の上映時間は映画としては長いけれど、ドキュメンタリー映画として見ればあたりまえの長さで、家族の一人一人が12年間に渡ってさすらう時間の中に身を置くことを考えれば決して長くなかった。最後に、ポンッ、と終わった時には、どこか寂しさを感じてしまった。
→リチャード・リンクレイター→エラー・コルトレーン→アメリカ/2014→新宿武蔵野館→★★★★