監督:沖田修一
出演:高良健吾、吉高由里子、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛、朝倉あき、黒川芽以、柄本佑、佐津川愛美、黒田大輔、江口のりこ、井浦新、堀内敬子、國村隼、きたろう、余貴美子
制作:「横道世之介」製作委員会/2013
URL:http://yonosuke-movie.com/
場所:ユナイテッド・シネマとしまえん
普通すぎて笑っちゃうくらいな奴、が主人公の映画を観て、普通すぎて笑っちゃう映画だった。本来ならば、映画の主人公が普通すぎたら退屈するのが常だろうけれども、横道世之介が関わるそれぞれのエピソードにどこかしら惹きつけられるものがあって、とりたてて大きな事件が起こるわけでもないのにおもわずほくそ笑んでしまうようなストーリーだった。その小さな面白味が集積されて行った結果として、普通すぎて笑っちゃう映画になったんだとおもう。そう、決して、面白い! 映画ではなくて、普通すぎて笑っちゃう映画だった。下手をすれば観るものを退屈させかねない題材を、それも160分と云う長さにおいて、微妙な可笑しさだけで持続させている沖田修一監督のテクニックも確かなものだとおもう。
ただ、一つだけ普通じゃないことがあった。横道世之介を新大久保駅乗客転落事故と結びつけたことだ。原作がそうなんだろうけど、実際の事件と連動させて感傷的な気分にさせる必要があったのかなあ。すべてを「普通」で通して欲しかった。
→沖田修一→高良健吾→「横道世之介」製作委員会/2013→ユナイテッド・シネマとしまえん→★★★☆