監督:ジョージ・ミラー
出演:トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、ヒュー・キース・バーン、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー、ゾーイ・クラヴィッツ、ライリー・キーオ、アビー・リー・カーショウ、コートニー・イートン、ネイサン・ジョーンズ
原題:Mad Max: Fury Road
制作:オーストラリア、アメリカ/2015
URL:http://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuryroad/
場所:109シネマズ木場
『マッドマックス』の第1作目が公開された時の衝撃はすさまじかった。転倒したバイクから放り出された人間の頭に他のバイクの車輪が「グギッ!」って当たるシーンが予告編で使われていて、あのスタントマンは死んだんだぜ、と云う噂がまことしやかに伝播して、まだまだウブだった高校生の自分はドキドキしながらその映画を見たものだった。そのような体当たりの派手なアクションシーンに加えて、オーストラリア大陸の赤茶けた広大な大地がさらに異様さを助長して、見るからに血も涙もない、人の感情も乾き切ったように見える映像もとても斬新だった。
あれから36年も経って、久しぶりに『マッドマックス』が帰ってきた。今回の予告編もまた秀逸だった。見るからに1作目を彷彿とさせるような赤茶けたオーストラリア大陸を前面にフューチャーして、そこで繰り広げられる切れ味鋭いアクションシーンは1作目の興奮が帰って来たようだった。実際に本編を見ても、予告編で植え付けられた期待を裏切られることはなく、ちょっとデヴィッド・リンチの『砂の惑星』を思い起こさせるようなグロテスクな悪役たちがさらに不気味さで盛り上げて、前進するクルマ同士の、直線上の限られたシチュエーションの中で展開されるアイデア溢れるアクションシーンの連続にまったく飽きることはなかった。ただ、あまりにもVFXに目が肥えてしまったために、1作目の時のようなウブな興奮がなくなってしまったのが悲しいのだけれど。それに、もうちょっとマッドマックス自身の背景に突っ込んだほうが良かったのかなあ。マッドマックスがあまりにも脇役過ぎた。
→ジョージ・ミラー→トム・ハーディ→オーストラリア、アメリカ/2015→109シネマズ木場→★★★☆