監督:サミュエル・フラー
出演:コンスタンス・タワーズ、アンソニー・ビスリー、マイケル・ダンテ、バージニア・グレイ、パッツィ・ケリー、マリー・デュヴルー
原題:The Naked Kiss
制作:アメリカ/1964
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場所:ユーロスペース
映画を見る上で、登場人物たちの感情の推移を追いかけて行くことが自分にとっての重要なポイントの一つなので、そこに全体を通しての流れがなくて、シーンごとにブツッ、ブツッと途切れてしまうような映画がとても苦手だ。この『裸のキッス』もその手の映画なんだけど、でも、そこに意味がある場合はその限りではない。元娼婦のコンスタンス・タワーズも、警部のアンソニー・ビスリーも、街の富豪のマイケル・ダンテも、何を考えての行動なのかさっぱり読み取れない。次のシーンでは突然翻って行動を起こしたりする。そこには前後の関係性がまったく無いようにも見える。しかし、そうすることによって、映画全体に得体の知れない雰囲気が漂い、とても不気味な映画に仕上がっている。オープニングのコンスタンス・タワーズが男をボコボコに殴りつけるシーンからはじまって、ラストの疑いが晴れたコンスタンス・タワーズを向かい入れる街の人びとの無表情な顔の羅列まで、何が出てくるかわからない不気味さの連続だった。
ただ、寝不足がたたって、うつらうつら、になってしまった。素晴らしい映画だったのに残念。もう一度観ないと。
→サミュエル・フラー→コンスタンス・タワーズ→アメリカ/1964→ユーロスペース→★★★★